CHRIS WARE(クリス・ウェア)
現在の米国及び世界的なグラフィックノベルの分野を代表する類いまれな才能を持つ作家である。『世界一賢い子供、ジミー・コリガン』は、ガーディアン・ファースト・ブック・アワードを受賞し、2009年にはザ・タイムズ(ロンドン)紙の「この10年のベスト100冊」に選ばれた。『ビルディング・ストーリーズ』は、ニューヨーク・タイムズ紙とタイム誌で、2012年のフィクション・ブック・オブ・ザ・イヤーのトップ10に選ばれている。ウェアはザ・ニューヨーカー誌に不定期で寄稿し表紙も現在まで25回飾っている。彼の原画はホイットニー・ビエンナーレやシカゴ現代美術館で展示されているほか、イリノイ州オークパークにある彼の自宅の作業台の後ろに山積みされている。2016年にはPBSのドキュメンタリー・シリーズ「Art 21: Art in the 21st Century」に登場し、2017年には彼の作品の名を冠したモノグラフがリゾーリ社から出版されている。2021年現在開催されているシカゴ現代美術館でのグループ展「Chicago Comics:1960’s to Now」ではウェアの作品が大々的に紹介されている。ウェアの作品は、彼の愛する20世紀コミックとグラフィックデザインのアメリカ美術の集合体であり、古典的なコミック・ストリップから広告、ペーパークラフトまで様々なスタイルが複雑に絡み合いながら深いペーソスに満ち溢れた独特の世界観を作り上げている。2021年のアングレーム国際漫画祭ではついに“グランプリ”を受賞。日本では『世界一賢い子供、ジミー・コリガン』の日本語版がプレスポップから出版されている。